救急救命士国家試験過去問題

解説を記載しているページは救急救命士標準テキスト第9版を参照して下さい。


42C1

75歳の男性。腹部の絞扼感を訴えるため家族が救急要請した。本人は玄関で座って救急隊を待っていた。救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数28/分。脈拍80/分、不整。血圧160/90Hg。SpO2値92%。冷汗を認める。6/分で酸素投与を開始し、本人の希望どおり起坐位のままで救急車に収容した。収容後、間もなく呼びかけに反応しなくなったため、心電図モニターを装着した。胸骨圧迫を開始し、心室細動に対して除細動を行ったが心停止となった。心肺蘇生を継続して病院に到着した。現場到着から車内収容までは5分、車内収容から病院到着までは10分であった。検証会議で指摘される現場活動の問題点はどれか。1つ選べ。

  1. 現場での滞在時間
  2. 救急車収容時の体位
  3. 酸素投与開始時の流量
  4. 心電図モニター装着時間
  5. 車内収容から病院到着までの時間

4


P.683 (胸痛) , P.546 (BLSアルゴリズム)
胸部絞扼感を主訴として発症し、収容後に容態急変した症例である。
救急隊接触時に頻呼吸、SpO2軽度~中等度低下、脈の不整といったバイタルサインの異常を認めている。バイタルサインの異常や冷汗を伴う胸部症状であるため緊急度や重症度が高いと評価でき、初期から酸素投与と心電図モニターによる観察が必要である(P.683)。酸素投与量については、重症度が高いと評価した場合ならば高濃度酸素が原則であるが(P.683)SpO2 92%と中等度低下に留まっているためフェイスマスクによる48L/分での投与は妥当と考えられる(P.484)。収容時の体位について、通常は仰臥位を基本とするが、すでに起坐呼吸状態にある場合や、血圧低下がなく呼吸困難を認める場合は起坐位としてもよい(P.683)
呼びかけに反応しなくなってからの対応については、BLSアルゴリズムに準じて行う(P.546)。反応なしを確認すれば、応援要請と除細動器準備依頼を行い、呼吸と脈の確認後、必要であれば胸骨圧迫を開始する。人員に余裕があれば胸骨圧迫と並行して心電図モニターを装着してもよいが、除細動器準備の方が優先される。本設問の状況において、もし急変前に心電図モニターを装着できていれば、心室細動などのショック波形を確認できる場合があり、より早期の除細動が可能となったかもしれない。
現場活動において、現場滞在時間延長や搬送時間遅延につながる要素はなかったものと考えられる。特定行為としての気管挿管も考慮され得るが、病院までの移動時間が10分以内と遠距離ではなく、むしろ気管挿管を行うことで搬送遅延を生じる可能性がある(P.481)

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